業務用のドローンはなぜ高価なのか?
2017/07/11
業務用のものであれば数十万~100万、またはそれ以上ものまであるドローン。
一方で、下記のような一万円弱でも買えるようなお手軽なホビー用のドローンもありますが、いったい何が違うのでしょうか?
Holy Stone 2.4GHz 4CH 6軸ジャイロ ミニドローン 日本語説明書付き 国内認証済み 空撮カメラ付き バッテリー2個付 フルスペックエディション F180CK
ドローン初心者にとって業務用のドローンどう違うのだろうと思う事でしょう。業務用で使われている高機能なドローンの持っている機能などをいくつかピックアップして、なにゆえ高価になってしまうのかを説明していきたいと思います。
パワー
廉価なホビー向けドローンは購入したものがパッケージとして完成しているものがほとんどで、自身の重さプラスアルファくらいの浮力があればよいで、それほどパワーの出るモーターを必要としません。ところが、業務用のドローンはプロ用の機材を設置してフライトさせる必要がある為、それなりのペイロード(フライト積載量)が必要となります。
業務用で高機能な一眼レフのカメラは別途取りつける場合、1kg以上のペイロードがなければ安定した飛行ができません。そのため十分なパワーを発生させる為に強力なモーターとそれを維持させるバッテリーが必要となりますので、当然コストも変わってきます。
制御
今までラジコンヘリは操縦者がバランスをコントロールしてましたが、複数のプロペラで安定させた上に、機体のバランスを維持するためのコンピューターの制御装置(3軸ジャイロ・3軸加速度センサーなど)が発達したおかげで、ドローンは比較的簡単に飛ばせるようになりました。
スマートフォンの普及もあり、これらのセンサーなど昔に比べてかなり安価になりました。したがって、ホビー用のドローンでも手軽に実装できるのですが、業務用となると、屋外でもある程度の天候に耐えられるようさらに細かい調整機能を有したセンサーが必要となります。
GPS・フライトレコーダー
業務で利用するのであれば欠かすことの出来ないGPS機能。
GPSを利用してフライトしているドローンは、風で機体が流されそうになっても、位置計算しながらその場に留まろうとするので、多少の風があっても余計なコントロールに気を取られることなく空撮など作業に集中する事ができます。
また、意図せず電波の届かない状況に陥ったときなど、自動で帰ってくる自動帰還システムは大変便利です。GPS機能がしっかり働いているからこそできる仕組みですね。
GPSで常に位置を把握しているので、フライトログを取る事もできます。また、地図で飛行ポイントを設定して自動でフライトすることも出来ますので、自動で飛んでる間にカメラの操作だけに集中するなんてことも可能です。
↓は、DJIの販売しているフライトシステム
ちなみに、私の保有するPHANTOM3ではGLONASSというロシアの人工衛星を利用した測位システムを採用しているそうです。フライト時にタブレットに表示されたナビゲーションに現在いくつの人工衛星の電波をとらえているかいるのかを常に表示されております。
クラウド管理
上記でフライトレコーダーに触れましたが、アプリと連動してクラウド上でフライト時間・場所・ルートなど記録して管理することができます。
どれくらいの飛行時間を行ったかを自動で記録してくれるので、パーツの交換時期などの目安になります。
カメラ・空撮
業務用の空撮目的で使用するドローンには高画質の動画撮影できるカメラが付いている、もしくは取り付けすることが出来ます。
カメラは高価であればそれだけドローンと合わせて全体的な費用が掛ります。そして、ドローンを飛行させれば当然飛行によるブレが発生します。それを制御するのがジンバルの役割です。
ジンバルなくしては高品質の映像を撮ることができません。ジンバルは安いものでも2~3万くらいはします。カメラの性能・大きさが上がればそれに合わせて高性能のジンバルが必要になるでしょう。
そしてもうひとつ触れておきたいのが、FPVです。良い映像を収めるためには、リアルタイムで画像を確認しながら撮影しなければなりません。
小型カメラの低価格化により、安価でホビーにカメラを搭載することが可能になりましたが、それはあくまでも搭載して撮影するだけです。操作側で映像を確認しつつ撮影する仕組みはさらにコストを上げることとなります。
電波を使っての操作および撮影した映像の送受信を長距離で行うには、基本的に日本では技適マークを取得した機材を使う事になるでしょう。
(無線免許を取得していれば自身で無線局を設置することが可能ですが、ハードルは高いです。)
カスタマイズ
ドローンは完成品でそのまま利用しても問題ないのですが、様々なパーツが出ているので、用途に合わせて機能を追加したり変更することが出来ます。
組み立て式のドローンもあるので、自分で必要なパーツを仕入れてオリジナルのドローンを作る事もできます。
あれもこれもと機能を追加していけばそれなりにパーツ代が掛ります。ドローン人口が増えることによってパーツの値段もリーズナブルになってくれることを祈ります。
最近ではプログラムを組み込んでオリジナルの制御を加えられるよう開発者用の機能を付けたドローンもあります。
材質
廉価なドローンは値段を抑えるために安いプラスチックや発泡スチロールなどを使用しているケースを多く見かけます。また、簡単にパーツ交換できる仕組みがないので、壊れてしまったら買い換えるしかありません。
一方業務用のドローンは軽くて丈夫な素材が使われていますのでそれなりに頑丈につくられています。もし破損してしまっても、部分的にパーツを交換できますので、結果長く使えるのです。
プロ向け空撮ドローン
プロ向けの空撮ドローンのシェアとして多いのがやはりINSPIREです。INSPIREはシリーズを通してどんどんパワーアップしており、ドローン自体の歴史はまだ浅いながらもその中ではロングヒットしている商品ではないでしょうか。
INSPIREはカスタマイズ性が優れているわけではありませんが、空撮をするには機動性やクオリティの高い映像を撮影するためのカメラなどオールインワンになっていることが人気なのではないでしょうか。
[国内正規品] DJI INSPIRE 2 + ZENMUSE X4S カメラセット
最後に
以上、私がドローンを購入しようと思ったときになぜ高い機種と安い機種の値段が極端に違うのか疑問に思って調べた事です。
私がドローンに興味を持ち、購入欲求が起こった初めはそれなりに飛行すればいいかなぁなんて考えてましたが、調べていくうちにあれもやりたいこれもやりたいという衝動にかられて、気が付いたらそれなりに高価なドローン(PHANTOM3)を購入していました。少し前まで自分がドローンにこんなにお金を掛けるとは思いもしませんでした(汗
散々業務用の機種が高コストな理由について書きましたが、どれだけの機能を有していれば業務用だとかいくらの機種から業務用だとか明確な基準は特にありません。使う人が業務で使用して満足できるのであればそれはもう業務用と呼んでいいと思います。
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